リスニングの独学方法と(また)アルクの参考書がおすすめな理由!
私はリスニングも基本独学で対策を進めました。リーディングと同じシリーズのアルクの参考書を使いました。
ここまでリーディングもリスニングもアルクの参考書推しですが、書いている人はアルクの中の人ではありません。どちらの参考書も、出題内容をていねいに分析したうえで解き方が説明されていて、独学する人にやさしい本だと思います。
この本のいいところは、リスニングの文章の構造が理解できるようになっており、その構造にしたがってメモの取り方を段階的に練習できるようになっているところです。解き方を解説する第2部は、以下のような目次になっています。
2部 リスニングセクションの取り組み方
2 章 英語表現の型を学んで解答能力を上げる
3 章 サインポスト
4 章 戦略的メモ
英語表現の型、がここでのポイントです。この本では、まずTOEFLのリスニングの文章構造を学ぶようになっています。次の章のサインポストとは、文章構造を明示する単語やイディオムのことです。こういった文章のお約束を知ったうえでメモの取り方を学ぶことで、メモをとり忘れたり、無駄にメモしすぎることを防げます。
TOEFLのリスニングは、最初に5分間ほどの課題文を1回だけ聞いたあと、5問ほどまとめて回答する方式です。そのため、1回のリスニングで5分間分すべての内容を聞き取りきることが大事です。リスニングができない原因は「聞き取れない」以上に「どこがポイントかわからない」「メモを取りすぎる・取り逃がす」ことも大きいです。全体の中では話題が脱線したように聞こえるような、詳細な内容からも出題されるため、細かい部分や本題と違う部分を省いていいわけでもありません。この本では、そういった全体と詳細のバランスの取り方、リスニングのポイント、そしてメモの取り方がわかります。
第3部は問題タイプごとの解き方の解説です。リスニングで出題される問題は、シチュエーションが2パターンに分かれています。
- 講義+討論(アカデミックレクチャー+ディスカッション)
- 会話(カンバセーション)
のいずれかです。それぞれのシチュエーションごとの出題パターンはだいたい同じなので、出題パターンごとの解き方を学習します。本の目次は以下のようになっています。
3 部 問題タイプ別解法テクニック
5 章 アカデミックレクチャー攻略法
6 章 アカデミックディスカッション攻略法
7 章 ロングカンバセーション攻略法
この本を一通り解くと、それぞれのシチュエーションがどういうものかは理解できるようになります。ただ、レクチャーもカンバセーションも、この本だけでは全くカバーしきれないほどパターンがあるため、パターンを増やすために過去問を解く必要があります。特にカンバセーションは
- 科目履修登録(カウンターで列に並んで履修する)
- レポートを書く(先生にレポートテーマを交渉する)
- 学食のパスを買う(年パスがある)
- ジムの申し込み(プランが複数あり、プランによって利用できる設備が違う)
のように、日本の大学を想定していると全く想像できない状況の話が出てきます。アメリカの大学とはそういうものだと理解することを含めて対策することになります。
使い方はリーディングと同じで、
- 対策を始めたらすぐにこの本を買い、本に書かれているメモの取り方を見て練習問題を全部解きます。本に書かれている通りのメモの取り方、解き方で解けるようにすることが大事です。
- 練習問題が全て終わったら、この解き方を使って過去問を解きます。この本1冊だけでは問題量が足りないため、過去問で同じ解き方を実践します。
- しばらく過去問を解いていき、特定の出題パターンで間違いが多いなど、自分が弱い点が見つかったら、またこの本に戻り、読み方を再確認します。
という流れです。
リスニングに関しては、この参考書を解くことでのTOEFL以外のメリットは特になかったように思います。実際に聞き取れるようになるかどうかは、型を知っているかどうかよりも聞き取りの練習の方が重要ですし、TOEFLのようにきれいな型で話してくれる人がそもそも少ないので。
実際の聞き取りの練習については、こちらの記事でまとめます!